アメリカ矯正歯科学会(AAO)に参加してきました。

  • 2016/06/09 16:38

理事長の高橋衛です。私は、今年のゴールデンウィーク(4/295/5)に、アメリカ矯正歯科学会(American Association of Orthodontists 略してAAO)に参加するためにアメリカのオーランドに行ってきました。学会前日の429日の夜にオーランドに到着し、430日から53日までの4日間、学会会場と宿泊ホテルに缶詰状態で濃密な1週間を過ごしました。

 

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 今回のAAOには、MATI(Minami Alps Training Institute)の秋山先生グループで参加し、毎年参加されている秋山先生のご指導のもとに、矯正治療の勉強をしてきました。以下に、私が学んだことを簡単にまとめました。

 

私は、AAOには初参加でしたが、驚いたことが3つありました。

一つ目ですが、Dr.Chris Changという台湾の先生のプレゼンテーションには、非常にびっくりしました。私は、これまでの矯正治療の常識を覆す、矯正歯科学上の歴史が変わる瞬間に立ち会ったようでした。私は、とにかく本当に驚きました。このプレゼンテーションでは、現在の常識では外科矯正(顎の骨を手術する方法を併用した矯正)をしなければ絶対に治らないとされてきた困難なケースを、手術をしなくても極めてシンプルな方法で、適正な歯並びに直した症例を多数紹介していました。従来のような外科矯正や、大がかりな装置を口腔内外に装着することは、患者さんにとって大変苦痛を伴うことです。Dr.Chris は、シンンプルで最小の侵襲(ほとんど患者さんに負担がかからない)で、様々な工夫をして短期間で治療困難な不正咬合を治していました。このことは、私も矯正治療をする上でいつも心がけていることです。このプレゼンテーションは、これからの私の矯正治療にとても参考になり、私は、帰国早々、早速治療に活かしています。

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二つ目に驚いたことは、アメリカ矯正歯科学会の規模がとても大きいこと、学会当日の参加人数が非常に多く1万人以上と大盛況であったことです(通常、規模の大きな学会でも2,000人程度です)。演題数も多く内容も多岐に渡り、矯正関連の業者展示数も数百社と、アメリカ国民をはじめ歯科医師の矯正に対する関心の高さを窺い知ることができました。アメリカ歯周病学会などの他のメジャーな学会に比較し、年々参加人数が増えているようです。アメリカでは、ティーンエイジャーの矯正治療が常識(私立学校などでは、クラスのほぼ全員が矯正治療を受けているそうです)と言われておりますが、あと10年後には、日本も矯正治療がもっと広く普及し、治療を受ける人も現在の510倍に増えるかもしれません(私の予想です)。

三つ目は、今回の学会では、古い装置を使用し治療を行なった、エビデンス(科学的根拠)に基づく発表が数多くあったことです。私は、今はあまり古い装置は使用していませんが、アメリカの矯正専門医でかなり古典的な装置を多用していることに驚きました(施設にもよりますが)。逆に、新しい技術の発表は、ほとんどありませんでした。私は、最新のテクノロジーを駆使した新しい装置を宣伝している業者展示ブースとのギャップを感じました。

また、現代矯正治療の主流となっているシステムの開発者である、Dr.Andrewsという偉大な先生の特別講演も開催されました。講演では、矯正学のフィロソフィーや診査・診断・治療の重要な要点についてレクチャーをされていました。私は、それらの格調高い講演内容に感激しました。

 

最後に、皆様に有益な最新の情報をお伝えします。最近日本でもようやくクローズアップされてきた問題についてです。それは、不正咬合と顎関節症との関係、それから不正咬合と睡眠時無呼吸症候群との関係についてです。今回の学会ではこれらについてのセッションがあり、多くの人が関心を持っていました。解剖学的に近い部分にあり、これらは深い関係があるという仮説が立てられ、矯正歯科医も治療に携わっている分野です。そこで、この問題についてアメリカの多くの研究施設で、長年に渡りリサーチされてきました。その結果、最新の知見では、不正咬合とこれらの疾患との関連性は全くない、科学的根拠は無いと結論づけられていました。つまり、不正咬合が原因で、顎関節症や睡眠時無呼吸症候群などの疾患は起こらないし、矯正治療を行なってもこれらの疾患は治らないということです。矯正治療が原因で起こることもありません。巷では様々ことが言われていますが、これらの問題については、私がお伝えすることが最も新しい、信頼できる情報です。

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今年のアメリカ矯正歯科学会を締めくくり、秋山先生は、例年のAAOと比較し今回は、新しいものを追い求めるのではなく、患者さんの為に、患者さんの利益を考えた治療や装置を何よりも優先するということが再考された学会だったのではないかということです。来年のAAOは、4月にサンディエゴで開催されるそうです。次回も参加し、皆様に最新の情報を報告させて頂きます。

スペイン バルセロナ ザイゴマインプラント研修報告:世界最高水準のインプラントクリニックを目指して

私 、高橋衛は、5月23、24日の2日間にわたりスペインのバルセロナ病院にて開催された、ザイゴマインプラント(Zygoma Implant)研修に参加しました。ほとんどの方が、ザイゴマインプラント(Zygoma Implant)という言葉を初めて耳にされると思いますので、これの説明を兼ねて研修報告をしたいと思います。

  
(サグラダ・ファミリア)           (カサ・ミラ)

(モンセラ修道院)

 今回のバルセロナ研修は、通常の研修とは異なる特別な内容でした。まず1日目は、二人の世界的第一人者(後述)による講義と、大型モニターを見ながらの詳細な解説付の手術見学がありました。そして2日目は、バルセロナ大学解剖室にてカダバーコース(解剖実習)があり、ザイゴマインプラントのトレーニングを受けて来ました。

 ザイゴマインプラントとは、重度の歯周病や虫歯、口腔内(口の中)の病気の為に上顎(上あご)の骨が残り少なくなり、普通のインプラント治療ができない状態になってしまった人に対して行なう特別なインプラント治療です。上顎骨(上あごのほね)が無くなっても、ほとんどの人は頬骨(ほおぼね)は残っています。しかも頰骨には非常に硬い骨があり、インプラントの固定源として理想的な部分と言われています。頬骨に埋めるインプラントを、頰骨(Zygomatic bone)の名前から「ザイゴマインプラント」と呼ばれています。

 

 ザイゴマインプラントは、一般的な歯科医院で行なわれているインプラントと比較し、技術的に非常に難しい治療です。また、All-on-4(オールオンフォーと読みます。たった一日で駄目になった歯を全部抜いて、インプラントを4本埋めて、手術当日数時間後に固定式の仮歯が入る治療方法)などの治療経験が少ない歯科医にとってはさらにハードルの高い治療です。そのため、日本国内でザイゴマインプラント治療を行なっている歯科医師は極わずかです。これまで私は、海外の研修に参加しザイゴマインプラントの技術を学び、習得し、治療を行なってまいりました。しかし、現状に甘んじること無く、常に患者さんにベストな治療を提供し、患者さんに喜んで頂きたいと考え、スペインの研修に臨みました。今回は、ザイゴマインプラントの世界的権威であるDr.Davo(ダヴォ先生)とDr.Malevez(マラベ先生)の二人が揃う特別セミナーでした。二人とも顎顔面外科医(あごや顔の手術をする専門医)ですが、Dr.Malevez(マラベ先生)は「ザイゴマインプラントの母」と呼ばれ、多くの先生方に尊敬されている先生です。Dr.Davo(ダヴォ先生)をはじめDr.Aparicio(アパリシオというザイゴマインプラントで有名な先生)、All-on-4を開発したDr.Malo(マロ先生)など世界的に活躍している先生は, Dr.Malevez(マラベ先生)のもとで指導を受けています(現在、医療法人高橋衛歯科医院は、All-on-4開発者であるDr.Maloのマロクリニック東京と提携しております)。日本人3人を含む、世界各国の20人程の歯科医師が参加した、少人数制の内容の充実した研修でした。

 今回最も印象的で勉強になったのは、解剖実習と手術見学です。解剖実習では、上顎全部の抜歯と上顎骨形成手術(骨の形を整える手術)、Quad Zygoma Implant (クワッドザイゴマ、特に骨が無い人に行なう方法で、ザイゴマインプラントを4本入れる難易度の高い手術)のトレーニングをしました。参加者のほとんどの人が片側1本だけの埋入をしていましたが、私だけ全顎にわたりすべての処置を行うトレーニングを行なうことが出来たのは非常に幸運でした。

 Dr.Davo(ダヴォ先生)による手術は、Quad Zygoma Implant(頰骨にインプラントを4本埋める方法)をライブで行いました。ここでは、手術のコツ、危険を回避し安全に行なう方法、何をどこまで行なうと最善の結果が出せるかという事が良く理解できました。貴重な手術を見学し、文献やテキストにも書いていない解説を聞くことができました。

  講義は、ザイゴマインプラントのコンセプトと概要から、理論と治療方法、長期経過、合併症(他のインプラントに比較し頻度は極めて低い)とその対応などについての内容でした。ザイゴマインプラントは、インプラント治療の中でもごく限られた先生が行なっている先端技術です。しかし、Dr.Malevez(マラベ先生)は、自分たちは最先端を追求しているのではなく、いかに患者さんの為になるか、日常生活に支障をきたし困っている患者さんの人生を取り戻し、QOL(生活の質)を改善してあげる事が最も大切なことであると述べていました。私はこのDr.Malevez(マラベ先生)の考え方や態度を支持し、心から共感しました。講義の中でも繰り返し患者さん中心の歯科医療とザイゴマインプラントのコンセプトと目的について述べ、患者さんのQOL(生活の質)と幸福度を向上させる為の方法や、従来のザイゴマインプラントの改善点などについて述べられていました。そしてDr.Davo(ダヴォ先生)らは、患者さんの満足度、QOLの回復度をザイゴマインプラント治療前後と他の治療と比較して、多くの指標を使って調査しました。その結果、ザイゴマインプラント治療後はQOLが著しく改善され、治療後の不快症状も無く非常に満足度が高いという結果が得られたと述べていました。


   

 ザイゴマインプラントは、最初は近代歯科インプラントのパイオニアであるブローネマルク先生が、顎骨腫瘍切除後(顔が変形する程大きく癌を取り除く手術)の再建の為に考案した特殊なインプラントのようです。その後、Dr.Malevez(マラベ先生)とDr.Davo(ダヴォ先生)は、そのインプラントを歯だけでなく骨も無くなった患者さんに応用し、1999年頃にザイゴマインプラントのコンセプトを打ち立てました。その後、改良を重ね変遷し、今日の方法にまで確立されてきたそうです。ザイゴマインプラントのイラストと写真を掲載しました。上あごの歯があった部分から頬骨のところまで、長くて丈夫なインプラントを埋めます。これは普通のインプラントが直径4mm,長さ10mm程のものを使用するのに対して、直径5mm,長さが45mm前後のものを使用します。これは、ノーベルバイオケア社のインプラントです。私も使用していますが、非常に丈夫でしっかりしたものです。日本では厚生労働省に安全性と有効性が承認されており、私も実際に使用していて安心感があります。

 ザイゴマインプラントは、上顎の骨が残り少ないか、ほとんど無くなった方に対して行なわれるインプラント治療です。従来の治療方法は、取り外し式の入れ歯か、骨移植手術(下あごや腰骨から採ってくる)を行ない、骨を造ってからインプラントを埋めていました。入れ歯は、食事や会話の時に動いて落ちてくるので使えない、人前で恥ずかしい思いをし、今までさんざん入れ歯で苦労して悩み、他に治療法が無かったから仕方なく使用しているけれど、入れ歯はもうこりごりだと言う人が殆どです。骨移植手術は、体への負担が大きい、手術が難しく大変、手術の難易度が高く手術を行なう術者によって成功率はまちまちで、決して成功率が高いとはいえません。また、治療期間が非常に長くなるなどの問題点があります。これらに対してザイゴマインプラントは、骨移植の必要が無く、低侵襲(体への負担が少ない)の手術で、即時に機能回復できます(手術当日に固定式の仮の歯が入ります)。しかも通常行なわれているインプラント治療に比較して、インプラントの生存率、成功率が極めて高い結果が報告されています。頬骨にインプラントを入れるという事を聞くと、驚かれる人が多いのですが、Dr.Malevez(マラベ先生)とDr.Davo(ダヴォ先生)は、ザイゴマインプラントは、合併症も少なく安全で、手術後即時に患者さんのQOLを改善できる素晴らしい方法であると結論づけていました。

 ザイゴマインプラントは、日本においてはほとんど知られてはいませんが、骨が無くて入れ歯や普通のインプラント治療も難しく、食事や会話、社会生活にも支障をきたし、悩んでいる患者さんに多くの恩恵をもたらすことができる治療方法です。

 医療法人 高橋衛歯科医院ならびにマモ インプラントクリニック マリオスではザイゴマインプラントやオールオンフォーという治療ができる県内唯一の歯科医院です。高橋衛歯科医院は、本当に歯の事で困り、治療が難しく、様々な悩みやコンプレックスを持った患者さんのお役に立つことができます。歯の悩みを解決し、本当に充実した楽しい人生、笑顔が絶えない幸せな人生を、一日でも早く、一人でも多くの方に迎えてほしいと願っております。

   

「先生のお陰です、本当に有り難うございました!!」 患者さんから感謝のお言葉を頂きました


先日、70歳代の男性がインプラント治療後の定期検診でいらっしゃいました。

この方は、上顎(上あご)をAll-on-4(オールオンフォー)という3時間で取り外しのいらない歯を入れる最新のインプラント治療をされました。

開口一番「いやー、インプラントにして本当に良かった!」と、溌剌とした表情で喜びを表現されました。

そして、入れ歯を使っていた頃の悩みを話して下さいました。

長くなりますが、実際に治療を受けた方の貴重な体験談です。最後までおつきあい下さい。

「今まで入れ歯を使っていましたけど、食事の時に、入れ歯と歯ぐきの隙間に胡麻(ごま)などの粒状のものがどうしても入り込んでしまう。ひどい違和感と痛みがあって、イライラして途中で食事を止めてしまうことがしょっちゅうでした。家で食べている時は入れ歯を外して洗えますけど、外食する時はそうはいかない。大変でしたよ。食事中に何度もトイレに立って、『どうしましたか?』と周囲の人に心配され、落ち着いて楽しく食事もできませんでした。

入れ歯を何回も作り直してもやっぱり駄目でしたね〜。まず、保険の入れ歯は全然駄目でした。保険外の入れ歯も何回も作りました。東京にまで行って、有名な先生に入れ歯を作ってもらったりもしました。はじめはぴったりして良かったけど、1年も経たないうちに隙間が空いてきて合わなくなってきました。

この歳になって、美味しいものを食べることが本当に楽しみにしていることなのに、毎日食事の度にイライラして、食べたいものも食べないで我慢する日々が続きました。食事をすること自体が億劫になってしまいました…。」

 

この患者さんは、このようにずっと歯の事で悩んでいましたが、思い切ってインプラント治療を受けることにしました。

 

「インプラントにしたらこれまでの悩みがすべて無くなって、好きなものが何でも食べられる。入れ歯のイライラも無くなりました。心から食事が楽しめるようになりました。毎日の生活が楽しくて楽しくてしょうがない。御陰様で結構おいしいものを食べていますので、少しふっくらとしてきました。先日、同窓会で友人に、『おまえ、顔が変わったなぁ、なんか若くなったけど何か秘密でもあるのか?』と言われました。実は、インプラントにしたんだと、自慢をしてしまいました。」

 

「治療の前は、インプラントの手術が怖いなーと思っていました。しかし、実際に受けてみると何も大変なことや、危ないことなどは一切無いので安心しました。それから、正直に言うと、治療費はかなり高いと思いました。でも、相当な手間と時間がかかる、難しい治療だということが分かりました。それに、先生をはじめ、すべてのものが特別な勉強をした人たちの手作業でしょう。治療を受けてみて初めて納得できました。お金の問題ではないですよ。価値観の問題です。インプラントがこんなに良いものだと分かって、最終的にむしろ安いくらいだと感じています。」

 

私は、この方のお役に立てて良かった。一生懸命治療して、喜んで頂いて良かった。患者さんが幸福になってこそ、私自身が幸福であることをつくづく実感しました。

 

健康でより良く生きて行く為には、毎日の食事をしっかり摂ることがとても重要な事です。特に高齢の方は、歯の本数が少なくなり、入れ歯の不具合の為に栄養不足となり、生活の質が低下していくことが問題となっております。栄養学的な事だけではなく、家族や友人、大切な人との食事を楽しめることは、それらの人たちとつながりを長く、強く持ち続け、より充実した幸せな人生を送ることにつながる事ではないでしょうか。

 

高橋衛歯科医院でお勧めしているAll-on-4(オールオンフォー)やザイゴマインプラント(上あごが全く無くなった場合に、ほお骨にインプラントを埋めて歯を作る方法)は、歯の事でお困りの方にとって、悩みを解決してくれる本当に素晴らしい治療方法です。わずか1日で、悪くなった歯をすべて抜いて、インプラントを埋めて、取り外し不要の仮の歯が入ります。見た目も1日で改善されます。歯並びだけでなくお顔全体が変わります。骨が少なくなった人も治療が可能で、骨移植や再生療法などの体に負担がかかり、期間が長くかかる治療が不要です。短期間で治療が終了します。骨を移植した場合は2年から3年かかりますが、オールオンフォーとザイゴマインプラントはおよそ6ヶ月です。また、埋めるインプラントの本数が少ないため、普通の方法に比較して経済的です。しかも、予後(長期的な治療成績)も非常に良く、患者さんのQOL(生活の質)を劇的に改善する治療法として世界中で注目され、この治療が施されています。

ここに書ききれないくらいのたくさん患者さんから、喜びと感謝のお言葉を頂いております。私、高橋衛が自信を持ってお勧めできる治療法です。

 

インプラントシンポジウムに参加(スウェーデン )

2012年3月22,23日に、近代インプラント発祥の地であるスウェーデン イェテボリで開催されたGothenburg Meeting 2012(ノーベルバイオケアインプラントシンポジウム)に参加しました。

ブローネマルク博士によるオッセオインテグレーションインプラントの発見からもうすぐ60年が経とうとしています。今回のミーティングは、1952年から始まり、1982年のトロント会議に続く30年ぶりの節目でもあり、インプラントの歴史の一部となる特別な会議でした。世界25ヵ国から主要なメンバーが集まり、日本人参加枠も30人程でしたが、私も参加できたのは非常に幸運な事でありました。



(イェテボリ Centralstation)

 2日間にわたったシンポジウムは、インプラントに関する歴史を振り返り、現在インプラントに関する臨床で標準的に行われていることから最新の情報まで取り上げ、そしてこれからの将来について議論し、学ぶものが多くありました。

 シンポジウム初日の午前中、ChairmanのDr. Ulf Lekholmが初期の臨床研究について総説し、ブローネマルク博士がチタンと骨が結合することを偶然発見し、歯科用インプラントを開発した経緯についてのインタビューの動画を流しました。その直後、ブローネマルク教授ご本人が会場に登場し、ご講演されるというサプライズがありました。全員が熱狂的なスタンディング・オベーションで迎え、私も全く予期していなかった出来事に非常に驚き興奮しました。博士のシンポジウム終了後に、思わず博士のもとに駆け寄り直接ご挨拶をし、励ましのお言葉を頂いたことは光栄の極みでした。これまで私はインプラントの臨床に携わり、数多くの著名な先生方とお会いしましたが、今回インプラント発祥の地で、インプラントを世界で最初に発見し臨床応用したブローネマルク博士とお会いできた事は、身震いする程感激し感慨深いものでした。

その他、印象に残っている講演としては、Dr.Stefan Renvertが、近年クローズアップされているインプラント周囲炎に関して、その発症頻度、診断法ならびに治療法についての講演を行いました。
インプラント周囲炎は、今後解決すべき重要な問題であると考えています。また、コペンハーゲンのDr.Stefan Lundgrenは顎顔面再建手術とインプラントの応用について講演しました。私は大学で口腔外科を専攻しましたので、インプラントを応用したダイナミックな顔面の再建症例を非常に興味深く拝聴しました。将来的には、部分的な歯牙欠損だけでなく、顎顔面や全身の欠損の再建にインプラントがますます応用されていく事を期待したいと思います。

 今回のシンポジウムで学んだ事を、今後の臨床に活かしていきたいと思います。これからも、より多くの患者さんにインプラントの良さを知って頂き、安心・安全にインプラント治療を行い、そのメリットを十分に享受して頂きたいと考えております。 


(ブローネマルク博士)


(シンポジウム会場のクラリオンホテルポスト)

今という時は二度と来ない

今 、治療することの意味、そして、患者さんにわかってほしいことがあります。

歯を治したいけど、

「もう少し後でしよう」、

「暇になったらやろう」、

「お金に余裕ができたらやろう」、

「後でする」と言って本当に治療した人はいません。これは、人生における大きな損失を意味します。知らないうちに歯や歯周組織の崩壊は進み、咬めなくなり、健康を損ない、我慢するだけの日々が続きます。この間、たくさんの大切なものを失います。今治療すれば体験できるはずだった楽しい出来事、有意義な時間、綺麗に輝いている自分の姿…先延ばしにすればする程、自分自身も老いていき、今の輝きを失ってしまいます。人生は、良くも悪くも一瞬で変わります。

 今が、今日が人生最後の日だとわかっていたら、今できることを精一杯するでしょう。人生をより楽しく、豊かに、輝いて生きるためにもより良い選択をして頂いて、歯の治療はとにかく早いに越したことはありません。どうか、今のこの一瞬を大切にして下さい。

 以上のことは、歯の治療の事についてのお話ですが、「歯の治療」を「自分自身のこと、自分の人生」に置き換えてみてください。同じことが言えるのではないでしょうか。自分の体の事は、自分の人生そのものであると思います。大事な私からのメッセージとして皆さんにお伝えしたいと思います。

NHKで歯科インプラント治療に関して放送…

NHKの「クローズアップ現代」で歯科インプラント治療に係る問題について放映されました。
 その後、当院でも「インプラントは怖いですねー。亡くなった方もいるんでしょう?」という問い合わせがありました。私も、そのような大変残念な結果になったケースを一例のみ把握しています。ただこのケースも、一歯科医師の知識不足、技術不足、経験不足から起こったもので、すぐにきちんと対応すればこのようなことにならずに済んだと思います。ただ一人の大変未熟な歯科医師の判断ミスが、このような残念な結果を引き起こしました。
 インプラントというのは、歯を失った方がしっかり自分の歯と同じように咬めて、栄養も採れて、全身の健康づくりにおおいにメリットをもたらす大変価値のある治療法ですが、今回の1例のみで判断し、「インプラントは危険でダメだ」と判断することはもったいないことですし残念なことです。
 高橋衛歯科医院では、院長の私が責任を持ってリスクは最小限に減らし、患者さんにインプラントのメリットをしっかり受け取って頂けるようにしています。小さいインプラントを1本埋めるだけだとしても、必ずCTという骨の中の状態や血管、神経の位置が正確に分かるレントゲン写真を撮って、インプラントを埋める位置などを慎重に調べます。そして、事前にリスクを想定できるように安全に配慮しています。インプラント治療で起こりうるあらゆる可能性を把握し、それに対する最善の対策を立てられるようにしています。また、全身疾患との兼ね合いも考慮し、リスクを最小にし、インプラントのメリットを受け取って頂けるように配慮しています。必要であれば、血液検査を含めた健康診断を受けるように指導もしています。
 また、たとえ何かあったとしても、私が責任を持って誠心誠意治療させて頂くという姿勢で臨んでおります。NHKの番組も一部分を誇張したものと思われますので、必要以上にご心配頂かなくても大丈夫です。

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